公道を走るロードカーは道交法があり、レーシングカーにはレギュレーションがある。一方、サーキット専用モデルならば縛られるものは何もない。しかし、白紙の状態からサーキット専用モデルに特化して作られるマシンは極めて稀で、こういった現状はカーレースファンにとっては残念なことである。しかし、フェラーリはサーキット専用車を、ロードカーとレーシングカーのギャップを埋める、"XX"モデルとして開発している。2005年、"XX"の第1弾としてフェラーリは、エンツォをベースに特別仕様を施したFXXを発表した。その後さらに、FXXエボルツィオーネを発表し、我々の度肝を抜いた。そして先月のジュネーブモーターショーでベールを脱いだのが、フェラーリ599 GTBフィオラノをベースとした599XXだ。599XXはさながら、がんじがらめの規定から解き放たれた"走る実験室"とも言える。ジュネーブショーでは、ごく限られた情報とわずかな写真しか公開されなかったが、今回フェラーリはついに我々が待ち望んでいた続報を発表した。

599XXの開発には、最新の機能とテクノロジーがすべて集約されている。(つまり、それが"XX"開発の本来の目的である。)将来的にロードカーにも採用されるであろうF1のKERS(回生ブレーキシステム)を実験的に搭載することもあるかもしれない。しかし今回の599XXでフェラーリのエンジニアがまず着手したのは、エアロダイナミクスの追求とエンジンの改良だった。小さな黒いウイングレット(すでにロードカーに採用され、空力特性を有効活用する)はCピラーから突き出し、ホイールはリムの一部をF1由来の「ドーナツ」(ドーナツ型のパーツ)で覆ったことにより冷却性能を高め、効果的なエア・フローを実現している。車体の下部では、無数に穴の開いたディフューザーと、トランクに備えられた2つのファンを採用した最新の"Actiflow"システムが、コーナーリング時のダウンフォースを増大させ、高速走行時の空気抵抗を低減させる流れを作り出す。こうして599XXのエアロダイナミクスは、時速124マイル(約200km)で617ポンド(280kg)、また時速186マイル(約300km)で1389ポンド(630kg)ものダウンフォースを生み出すのだ。また、エンジン部の各パーツのフリクションを減少させたことで、このV12エンジンは最大回転数9000RPMで約710psを実現。 そして新しいシフトプログラムによりギアチェンジにかかる時間をたった0.06秒に短縮した。さらにカーボンセラミックのブレーキパッドは、カーボンファイバー製キャリバーの採用により、よち制動効率を高めている。これらすべての最新テクノロジーにより、599XXはフィオラノのテストコースで1分17秒のラップタイムをたたき出した。フェラーリがこれまで製造してきた、どのロードカーよりも速く、フェラーリの最新レーシングマシンでさえ車種によっては599XXのほうが速い。詳細はプレスリリースで。また画像は下の高解像度ギャラリーでチェックしてほしい。

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