今期のF1カレンダーからカナダGPが消滅し、これでF1は北米から完全に姿を消すこととなった。だが、自動車会社や主催者などの有力関係者たちは、北米市場はきわめて重要であり無視できないとして、アメリカ大陸でのF1復活を目指し、複数のプロジェクトが進行中とのことだ。

なかでも、モントリオールのジル・ビルヌーブ•サーキットでのカナダGP復活が計画の筆頭に挙げられるだろう。このレースは長年シーズンの目玉であり、カナダの国民だけでなく、アメリカのモータースポーツファンにも注目されてきた。ケベック州経済開発大臣のレイモン・バシャン氏も最近のラジオインタビューで、市当局がモントリオールでのレース開催復活に意欲的であり、バーニー・エクレストン氏との協議を再開したと語っている。また、同市は前回のエクレストン氏からの要求額より「妥当な金額」で5年間の契約を結びたい意向のようだ。

一方、オンタリオ州ナイアガラの滝近くのセントローレンス川周辺に、新たにいくつかのサーキットが建設されるという情報も寄せられている。レーサーのジェフ・ゴードンなどの協力を得て、クウェートの投資銀行Bayt Al Malが2億ドル(約198億円)をかけたモータースポーツ場を建設するとのことだ。NASCARレース用に1マイル(約1.6km)のオーバルトラックと2.5マイル(約4km)のロードコースが併設される計画で、カナダGP候補地として期待される。また、623エーカー(約2.5k㎡)の敷地に10万席を備えた観戦席のほか、ホテルなどの宿泊施設も建設されるという触れ込みだ。ニューヨーク北部に隣接し、デトロイトからもそう遠くないこの地域では、他にもIRL(インディカーレース)用の3.5マイル(約5.6km)のロードコースの建設など、いくつかのプロジェクトが持ち上がっているということだ。

ところで、アメリカではどうかというと、エクレストン氏の最近の声明でインディアナポリスのF1復活は阻まれている。同時に、現在のアメリカ国内のサーキットはどれも開催には適さないというのが彼のご意見だ。おまけに、以前は新たなサーキット建設にはラスベガス辺りがいいのではと発言していた同氏だが、今度は、アメリカでのF1復活を可能とする唯一の道はニューヨークでの開催だとほのめかしている。さてさて、エクレストン氏が次に目をつける候補地は一体どこだろう?