オートショーでは、最新の車が展示されるのは言うまでもないが、その傍らには決まって美しいコンパニオンが並び会場に華を添えている。彼女たちの仕事は来場者の質問に笑顔で答え、いかに車がすばらしいかを伝えることにある。つまり言い換えれば、車の開発やデザインについて関わってきたメーカーの社員ではないということだ。そんなことは当然であるはずなのに、現在開催されているニューヨークオートショーでは、GMやクライスラーのコンパニオンに向かって嫌がらせを言う不届き者がいるそうだ。
確かに、政府の自動車業界に対する融資を快く思っていない人が、GMやクライスラーに文句を言いたい気持ちは分かる。しかし、ショーのコンパニオンに八つ当たりするのはどうかと思う。コンパニオンは、ショーの開催期間中は、そのメーカーの顔として仕事をしているため、来場者の文句に対して何も反論しないが、それは彼女たちが商品知識を頭に叩き込み、クライアントとの契約を忠実に履行するプレゼンテーションのプロだからである。ショーが終わればまた、次の仕事に向かうだけの存在だということをここで思い出して欲しい。

では、目に余る"いじめ"の例を紹介しよう。ニューヨークのクイーンズからやってきたある会計士はクライスラーのDodge Circuitのブースにやって来て、「倒産寸前の会社なのに、派手なコンパニオンを雇う金がどこにあるんだ!」とコンパニオンをなじったそうだ。また、GMのコンパニオンは、「イラクでたくさんの兵士が戦死した責任はGMにある。GMが燃費のいい車を作らないから、石油欲しさにイラクと戦争する羽目になったんだ」と、非難されたそうだ。ここまでくると、もはや絶句するしかない。

もう一度ハッキリさせておこう。コンパニオンは、GMとクライスラーに対する政府の融資とは何の関係もない。コンパニオンに対して暴言を吐くということはまるで、巨額の政府融資を受けた銀行の窓口係のおねえさんを非難するのと同じで、まったく無意味なことなのだ。