ゼネラルモーターズ(GM)のリック・ワゴナー会長兼CEOが辞任することとなった。それに伴い、32年間勤めたGMからは退職金が支給されることになる。通常の退職金に重役手当が加算され、その総額はなんと2020万ドル(約20億円)にも上る。ちなみに、ワゴナー会長が1992年からGMの要職に就いて以来、手にした賃金は6300万ドル(約61億円)だ。
最近アメリカのある金融系企業が、公的資金の援助を受けながらも幹部に巨額のボーナスを支払ったため、国民の怒りに触れたことは皆さんの記憶にも新しいであろう。これと同じように、政府の支援によってかろうじて倒産の危機を免れているGMが、もしワゴナー会長に20億円にも上る高額の退職金が支給されれば、国民の怒りは爆発すること間違いなしだ。

しかし、金融系企業のボーナスとこの退職金の支払いには、大きな違いがある。ワゴナー会長が受け取るかもしれないお金は、"優秀な業務に対する褒賞金"でもなければ、"買収や合併によって失職する経営者が手にする多額の退職金"、いわゆるゴールデンパラシュートにはあたらないことだ。昨年の12月以来政府の支援策を受けているGMは、経営幹部にはゴールデンパラシュートを支払わないことで政府と合意している。しかし、ワゴナー会長が受け取る退職金は、ゴールデンパラシュートとは別ものであり、法的には何ら問題がないそうだ。

しかし国民感情を考慮し、ワゴナー会長は退職金を受け取らないのではないだろうか。巨額ボーナスを手にした、かの金融系企業の幹部も、いくら法的には問題なくともモラルに反すると感じたのか、ボーナスを自主的に返還する動きがあるのだ。同じようにGMの今後に貢献することになると思えば、ワゴナー会長も退職金を辞退する可能性は十分考えられる。だが問題は、オバマ政権の要求によりGMを去ることとなった彼が、どこまでGMの将来を考えているか?だ。