今週も続いている、デトロイトのドタバタについてお伝えしよう。GMとクライスラーは、追加融資を得るための再建計画を、財務省に提出する準備に追われている。追加の救済措置が得られなければ、両社ともに存続は困難となり、必然的に破産手続きを取らなければならない。

ウォールストリート・ジャーナルは昨日、破産法の申請に対してこれまで否定的な立場を貫いてきたGMが、現在はそれも選択肢の1つとして視野に入れていることを伝えた。この態度の変化は、米連邦破産法11条を申請する可能性を匂わすことで、連邦政府からつなぎ融資をできるだけ早く受け取ろうとしたものだろう。同紙によればGMが破産法を申請した場合、GMの存続可能な資産(未特定だが米国ブランドと海外業務)は新たな会社に編成されることになり、その他については清算されるか、あるいは破産裁判所へ売却されることになる。GMが絶体絶命の危機に立たされていることは明らかだ。しかし、政府が追加の融資を行い、GMが現状の体制を維持させるという可能性も消えたわけではない。
一方、クライスラーは、2つの再建計画を用意しているようだ。1つは、自分たちで何とか建て直しを図るというもの、そしてもう1つは、フィアットとの関係をさらに強固にするというものだ。フィアットと提携したおかげで注目を集める製品が提供されたことを考慮すれば、クライスラーの経営陣が再建への道はフィアットにかかっていると信じるのも当然だろう。いずれにせよ、膨大な数のRam(DODGEの大型車)を早急に売る必要があることに変わりはない。GM同様、クライスラーも近いうちに政府からの追加融資がなければ、破綻に追い込まれるのは必至だからだ。

また、両社と交渉を続ける全米自動車労組は、相変わらず強硬な姿勢を貫いている。オートモーティブ・ニュースは、退職者向け医療保険基金にGMが支払うことになっている200億ドル(約1兆8300億円)について、GMが労組からの譲歩を引き出せず、交渉は決裂したと伝えた。GMは労組に現金のかわりに拠出金の半分を株式で補いたいとしているが、労組は合意していない。さらにオートモーティブ・ニュースは、クライスラーと労組との交渉も難航していると伝えている。もし両社、もしくはどちらかが労組の脅しをはねつけて破産法を申請すれば、現在の協議も白紙となり、労組の戦略も失敗に終わるだろう。

この2社の命運をかけた騒動はさらに続く見通しだ。引き続き目が離せない。