スバルが WRC (世界ラリー選手権) チームを廃止するという信じがたい昨日の噂を耳にしたラリーファンには過酷なニュースだが、この噂は真実であることが判明した。親会社である富士重工が以降はラリーから手を引くことを正式発表したのだ。

日本の競合自動車メーカー、ホンダも F1 撤退を表明したが、富士重工の状況は多少異なり、モータースポーツからの撤退理由に世界的経済危機を生き延びるためのコスト削減を挙げている。富士重工は 2005 年以降成績がふるわなかったものの、やはりラリーサーキットで名を馳せた自動車メーカーの撤退はショッキングなニュースである。この撤退表明を受けて、これまでスバル WRC チームを 20 年にわたり支えてきたコンサルタント会社 Prodrive (プロドライブ)も、WRC の新たな規定のもと、次のシーズンでは新しいパートナーを模索しなければならない。しかし、スズキまでもが参加をキャンセルし、ラリーのトップ争いでは Ford と Citroen だけを残すのみとなった今では、Prodrive も寂しいシーズンを迎えるほかないようだ。正式なプレスリリースは以下を参照。
FHI が 2008年末で FLA WRC からの撤退を表明

東京 2008年12月16日 – "スバル" ブランドのメーカーである富士重工業 (FFI) は今日、2008年のシーズンで FIA WRC (世界ラリー選手権) から撤退することを発表した。

FHI はイギリスのモータースポーツおよび自動車エンジニアグループである Prodrive (プロドライブ) とともに 19 年間にわたりモータースポーツに取り組んできており、天候や道路のコンディションを問わずスバルが安全で快適なドライブ環境を提供できることをアピールしてきた。FHI はスバルのコアテクノロジーである水平対向エンジンと独自の左右対称 AWD システムを搭載し、レースで実証された技術改善をスバルの乗用車に応用してきた。スバルはラリー選手権においてメーカーとしてのチャンピオンシップを 3 回、ドライバーチャンピオンシップを 3 回獲得している。 この実績がスバルブランドの価値を上げたと同時に、スバル乗用車の売上を世界的に飛躍させた。

FHI は WRC における本来の目的を達成したと考えている。しかし、スバルブランド戦略における WRC の今後の位置付けを見据えたときに、FHI の事業環境は急激な世界経済の変化で著しく影響を受けと認めざるを得ない。管理資源を最大限に活用し、スバルブランドをさらに強化していくため、FHI はこのたび WRC からの早期撤退を決断するに至った。 今後のラリー活動における係わり方として、FHI は将来的にも P-WRC や Group N への参加チームやドライバーの支援を継続していく。

森社長は、多く乗スバルファンが長年にわたりインプレッサ WRC をサポートしてきてくれたことを考えると、この決断を下すのは断腸の思いであったが、「世界中のファンの皆様の熱い声援とサポートに心から感謝したい。皆様の熱意は私たちに無限の価値をもたらす宝」と述べた。

これまで WRC フィールドを通して得た計り知れない経験への投資をもとに、FHI は今後もスバルユーザーに対して総合的な興奮、安全、快適、そして信頼のドライブ環境を提供していくことになる。もちろん、世界環境と平和を尊重しつつ、"お客様第一" の哲学を忘れることなく。

富士重工業について スバル自動車のメーカーとして知られる富士重工業 (FHI) は、その原型を飛行機会社とし、長年にわたり技術革新の歴史をたどりながら日本のトップメーカーとして君臨してきた。自動車製造をメインとしつつも、富士重工業の航空宇宙産業、工業製品、エコ技術部門は汎用エンジン、発電機、衛生車両から小型飛行機、旅客機用重要部品、風力発電システムに至るまで、幅広い製品を手掛けている。スバルに起用された AWD 技術と水平対向エンジンは世界的な評価も高く、また富士重工業は環境にやさしい製品や世界的な環境保護の陣頭指揮を執るべく努力を続けている。